楓蔦黄(もみじつたきなり)

霜降(十八節気)末候 第五十四候 11月2日~11月6日頃

楓や蔦が色づく頃です。

 11月に入りましたが、暦の上では秋も終わりに近づき、紅葉狩りの季節となってきました。
 
 播磨自然高原では見ごろはもう少し先のようです。
 
 紅葉と言えば「かえで」、その名の由来は葉っぱが蛙の手に似てることから「かえるて」、
 
変形して「かえで」と、ちょっと苦しいような感じですが?でも、地名もしかり、動物でも猫
 
は「寝る子」から「ねこ」という説も?うちの猫、確かに24時間の内18時間は寝ています。
 
 楓などの葉が赤色に染まるのを「紅葉」、黄色が「黄葉」、茶色が「褐葉(かつよう)」と
 
言われています。落葉広葉樹では、葉っぱの色は変化、そして落ち葉になる運命。この播磨自
 
然高原の広葉は少し褐色気味の「褐葉」が多い?そんな中で、スポーツランドの紅葉は毎年色
 
鮮やかに色々な色で染められています。(今年はもう少しです)
 
 あの青々とした春、夏に葉が緑色をしていたのは、光合成で使われる緑色の色素クロロフィル
 
が大活躍、秋になって日照時間が短くなりクロロフィルが分解され減少、他の黄色の色素カロチ
 
ノイドは残るため葉っぱは黄色に見えてきます。葉に蓄えらえた栄養素は幹へ、その後、葉柄の
 
付け根に「離層」ができて枝との物質の行き来を遮断して、無駄な水分やエネルギーが冬の間に
 
消費されるのを防ぎます。そして、葉の中に残された細胞液の中にある糖とある種のタンパク質
 
が反応して、アントシアニンという色素が生成され、それによって葉は鮮やかな赤色に見えると
 
言われています。
 
 鮮やかな紅色に染まるには、晴れた日が多くて葉が充分な日光を浴びること、昼夜の寒暖の
 
差が大きいことが大切なようです。そういう条件の下で、アントシアニンが充分に生成された
 
木の葉ほど深紅に染まるということです。
 
 一方、銀杏などは、アントシアニンが生成されない種類の木であるので黄色一色に染まりま
 
す。
 
 「褐葉」は、タンニン性の物質や、それが複雑に絡みフロバフェンと言われる褐色物質の蓄
 
積が目立つようになり、また、アントシアニンの成分が少なかったりするときになるようです。
 
 そして最後は「枯葉」に。
 
 枯葉になる理由は、寒い冬を乗り切るために樹木自身の代謝機能を低下させ生き残りの準備
 
をしなければならないからです。
 
 落葉樹の葉の裏側にある気孔(二酸化炭素を取り入れ、酸素や水蒸気を出す孔)は、葉から
 
水蒸気を蒸発させますが、寒くなると根の働きも弱まり、十分な養分や水分を吸い上げること
 
ができなくなります。結果、多くの水分の蒸発は樹木に重大なダメージを与える結果となりま
 
す。

 樹木自身が枯れないためにも、いままでは役立っていたものが厄介物になってしまった葉を
 
処分をしようとする。
 
 枝からの水分の補給が葉に不足し始めると、枝と葉の境い目に、「離層」と言う細胞の層で、
 
枝から葉を切り放そうとするそうです。
 
 そして、樹木自身が危険だと感知するや、離層細胞を大きく成長させます。
 
 この「葉っぱ」について「葉っぱのふしぎ」という本を書かれた「田中修」氏は逆に葉っ
 
ぱの気持ちになって「冬の寒さの訪れが近づくと、すべての仕事が終わったと感じる葉っぱ
 
は、自分はまもなく役に立たなくなると引き際を悟る」と、上述したように、葉っぱの最後
 
の仕事「枯れ落ちるための支度」、この離層の形成を抑えるために送り続けていた「オーキ
 
シン」と言う物質を送ることを止めるそうです。そしてこの「自分で枯れ落ちる哀れ」は秋
 
のもの悲しさを助長させると、植物学者としての視点で「葉っぱ」に焦点をあてるとともに、
 
命のはかなさを人間視点でも捉えて表現されています。
 
 日本の紅葉の美しさは、寒暖差などの気候風土によっており、色の豊富さやその繊細さに
 
魅せられ、多くの人々が愛してきました。
 
 落葉樹林が広く分布する地域は、東アジア・北米・欧州の一部の地域、世界的にはそんな
 
にないと。ならば、限られた一時、紅葉に思いを馳せ、葉っぱの命にも思いを抱き今秋は愛
 
でたいものです。
 
 (紅葉)
 
代表:カエデ科「イロハモミジ、トウカエデ、ヤマモミジ」、ウルシ科「ハゼ、ヌルデ」、
   ツツジ科「ドウダンツツジ」、バラ科「ヤマザクラ、ソメイヨシノ、オオシマザクラ」
   など
 
 (黄葉)
 
代表:イチョウ科「イチョウ」、ヤナギ科「ヤナギ、ポプラ」、カエデ科「トウカエデ」、
   ウコギ科「タカノツメ」など
 
(褐葉)
 

代表:ナラ科「コナラ、アベマキ」、スギ科「メタセコイア」、スズカケノキ科
   「プラタナス」

(用語参照)

・クロロフィル
  葉を緑色にしている色素。葉緑素。「クロロフィル」は光を吸収し、二酸化炭素+水を、
 酸素+炭水化物に換えるためのエネルギーを供給。
・カロチノイド
  葉を黄色にする色素。光からエネルギーを吸収する役割を持つ。そのエネルギーはクロ
 ロフィルに運ばれる。
・アントシアニン
  葉を赤色にする色素。熟したリンゴやブドウの皮の赤い色の原因となるものです。
・オーキシン
  植物ホルモンの一種。とくに低濃度で茎の細胞伸長を促進する。
 
 
(写真はイメージです)
 播磨自然高原の紅葉はもう少し経ってから、随時、掲載します。
 
 
 
 
 

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