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穀雨(六節気)次候 第十七候 4月25日~4月29日頃
霜が止んで苗が生長する頃です。
播磨自然高原は気候も安定し暖かい日々が続いていましたが、今日はしとしと雨でした。雨が降るたびに青葉が一挙に鮮やかに景色を変えていきます。
写真は高原クラブ事務所横の藤棚です。淡い青紫色に染まっています。
立春から数えて88日目は、八十八夜、今年は5月2日になります。
この時期は、苗代づくりや畑に作物の種まきをしたり農家の方は大忙し。上郡でも不意に遅霜(気温が一挙に下がった時)が、この高原クラブ第一ゲートから降りた「梨ケ原」地域で八十八夜までは発生することがあります。霜害(霜が降りるほどの低温が原因で、農作物の細胞内や外にある水分が凍り、細胞が壊れてしまうことが原因)を受けやすい作物としては、お茶、桑、梨・ぶどうなどの果樹、じゃがいもなどの野菜、たばこなどがあげられます。実際、昨年、このエリアで畑を借りて栽培していた「じゃがいも」が遅霜の被害にあい、あまり成長せず悲しいくらいの小ささでした。何となく遅霜の予感があったのですが、手間を省いてしまい不織布などで覆いませんでした。後の祭りです。
本格的な農家さんは生業ですから霜害対策をしっかりされているそうです。例えば、
燃焼法・・・稲わらなどの固形燃料を燃やして空気を温め気温低下を防ぐ方法。畑や農地全体を温め夜間に作業するらしいです。ホントにそんな農家さんいるのって感じ?負担が大き過ぎない?
送風法・・・送風機を高い所に置いて温かい空気を作物に送風する方法で、茶畑やみかん畑などで行われているそうです。ただし、送風機の設置は電気・灯油代など高くつきそうですね。
散水氷結法・・・水が氷になるときの放出熱を利用し気温が0℃以下にならないようにするやり方らしいです。水道代、スプリンクラーの設置やメンテなどこれも高くつきそうですね。
など。
八十八夜とくれば、文部省唱歌の「茶摘」
夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る あれに見えるは茶摘ぢやないか あかねだすきに菅(すげ)の笠
日和つづきの今日此の頃を 心のどかに摘みつつ歌ふ 摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ 摘まにや日本の茶にならぬ
「あかねだすき」の茜の花って白色だと思うんですが、何で赤?と調べたら、実は、茜の花の根っこを乾かしたら赤い色になり、煮ると染料になるそうです。そこで、赤い根→あかね と名前がついた?
よくできた話? また、茜は昔から止血剤として使われてきたとのこと。昔は、茶摘みを素手で行い指先にけがをすることが多く、止血剤の茜のエキスを練りこんだ「たすき」を応急処置に使った?
お茶文化としては、奈良時代頃より始まっており、当時、お茶は高級品でした。
ところで、「八十八」が「米」という字になっていますね。「八十八夜の別れ霜」といわれるこのころより「米」作り。昔の田植えに出てくる娘たちのことを「早乙女」と呼んでいました。赤いたすきを掛けて並んで手植えする姿をニュースでたまに見ませんか? 残念ながら「田植祭」でしか見られない光景となりました。
もう一つ歌で「八十八夜」を思い出すのは、私の年代では「NSP」(遥かかなたのフォーク世代)。
「夕暮れ時は淋しそう」 「雨は似合わない」 「さようなら」などのヒット曲があります。
ひきだしの中からあの人の写真 みんな棄ててしまったはずなのに それはもう黄ばんでしまってい
て 泣き顔か笑い顔かわからない あの人の思い出にピリオドを打って 明日 嫁ぎます もうすぐ
八十八夜 もうすぐ暖かくなる もうすぐ八十八夜 もうすぐ幸せになる
こんな夜にあの人の電話 遠くでなつかしさが話し掛ける 本当はあの人に手を引かれ いっしょの
人生を歩きたかった 昨日までのあの人を忘れられないのは 私の弱さでしょう もうすぐ八十八夜
もうすぐ暖かくなる もうすぐ八十八夜 もうすぐ幸せになる
写真が黄ばむように あの人との事も 色あせてゆくかしら もうすぐ八十八夜 もうすぐ暖かくな
る もうすぐ八十八夜 もうすぐ幸せになる
この3人グループも今や一人に。
また違った「八十八夜」ですね。
人それぞれの軌跡に刻み込まれた詩があると思います。
今 この素晴らしい播磨自然高原の自然に包まれ 過ごせる一時をかみしめて・・・。